(武藤 正敏:元在韓国特命全権大使) 6月3日の投開票が決定した韓国大統領選挙は、現時点の支持率を見る限り、李在明(イ・ジェミョン)「共に民主党」代表が独走態勢を築いているように見える。しかしここにきて、韓悳洙(ハン・ドクス)大統領権限代行が出馬の意向を明らかにしていないにもかかわらず、その動向が大統領選最大の変数となりつつある。 韓悳洙氏出馬への期待が高まる 韓氏は、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の罷免が決定した際、次期大統領選については一切言及せず、「国政運営に専念する」との姿勢を示していた。しかし、韓氏の出馬を求める声は、与党「国民の力」内から高まっている。さらに、トランプ米大統領との電話会談でも、トランプ氏から出馬の意向について尋ねられたという。 尹氏の弾劾後、「国民の力」からは多くの議員や有力政治家が出馬の意向を示しているが、決定的な支持を集める候補は現れていない。このままでは
