筆者が1985年に日経コンピュータ誌の記者になった当時から、ソフトウエア開発業界におけるいわゆる多重下請けは問題視されていた。 ある会社が仕事を同業者に発注し、その会社がさらに別の下請けに発注する。これを繰り返していくと最初の発注者から最後の受注者まで数段階にわたる階層ができる。各段階にいる会社がそれぞれ利益を確保していくので発注者は最後の受注者に直接発注するよりもかなり高い対価を支払う。いや、この書き方は適切ではない。最後の受注者は業界の相場よりもかなり安い対価で引き受ける、と書くべきだ。 三十数年批判しても変わらないのは需要があるから こうした多重下請けについて日経コンピュータは何度も何度も記事で取り上げ、批判してきた。同僚が『明日なきソフトウエア業界』という題名の特集を書いたこともあり、そのときは知り合いのソフトハウス(当時はこういう呼び名だった)の経営者数人から「我々ばかりたたいて
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