宇宙には目に見える世界のほかに“暗黒世界”とでも呼ぶべきものが潜んでいるかもしれません。というと、まるでSFかファンタジーのようですが、これは最新の宇宙物理学の予言です。 われわれの宇宙は“見える物質”、すなわち光(電磁波)で観測できるものばかりで形作られているわけではありません。ほかにも重力だけがその存在を指し示す“見えない物質”、すなわち「暗黒物質(ダークマター)」が大量にあるとされます。 現在の宇宙論にもとづくと、暗黒物質の量は宇宙の全質量の85%にも達します。つまり、原子や分子からなるわれわれ自身や身のまわりの物質は、宇宙全体から見ればマイノリティといえるのです。 【▲ 図1:暗黒物質とガスからなるフィラメント構造「コズミックウェブ(宇宙の”クモの巣”)」。宇宙全体に広がるこの編み目構造では暗黒光子が飛び交っているかもしれません(Credit: Springel et al. (2
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