国立環境研究所持続可能社会システム研究室長 亀山康子 今年もあとわずかですが、昨年にも増して、異常気象が目立った一年でした。 数年前まで国内で聞いたことがなかった竜巻が各地で観測されるようになり、住宅などへの被害がありました。台風や集中豪雨による土砂崩れでは、人命までが失われました。夏の猛暑は厳しく、6万人近くの方が熱中症により搬送されました。 これらの異常気象は、多くの場合「自然災害」として議論されました。しかし、本当に人間にとって未然に防ぐことができない自然災害なのでしょうか。私たちが努力すれば被害を減らすことができる「人災」だったらどうでしょう。今日は、異常気象を増加させていると考えられている地球温暖化についてお話させていただきます。 これまで、人間活動が原因という説に懐疑的な主張も聞かれていましたが、そのような意見はますます少数派となってきています。 地球全体の平均気温で見れ