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ブックマーク / d.hatena.ne.jp/JD-1976 (3)

  • クルーグマンの信念―『さっさと不況を終わらせろ』 - 事務屋稼業

    言わずと知れたポール・クルーグマンの新刊である。 主張はいたってシンプルなものだ。いわく、不況のときに緊縮財政するな。政府は財政赤字なんか気にせずに拡張的な雇用創出政策をやれ。中央銀行はそれを支援しろ――これだけ。 で、この主張を補強するために、金融危機の前史から経緯をふりかえり、アメリカ、ユーロ圏、イギリスなどの現状を概観し、流動性の罠に関する不況の経済学をわかりやすく解説し、清算主義を批判する。とりわけ不況を「道徳劇」として見る発想をくりかえし批判している。 おおよその内容は「道草」で翻訳されているコラムとかぶるものが多いので、ぶっちゃけ新味のある話はない。しかし、こうしてまとまったかたちで読めるのはよいことだろう。とくに私のような紙のフェチには、じつにじつにありがたい。 どうでもいいことだけれども、一部で議論を呼びそうだなと思ったのは、次のくだり(p.143)。 フリードマンの取っ

    Itisango
    Itisango 2012/07/21
  • やさしい左翼のための経済学―『不況は人災です!』 - 事務屋稼業

    熱い。なんとも熱い。 『不況は人災です! みんなで元気になる経済学・入門』と題した書で、松尾匡氏はていねいな語り口ながらも、熱い思いのたけをぶちまけている。といっても、怒り狂って罵詈雑言を書き散らし、著者・読者ともにただ溜飲を下げたいだけのようなではない。 著者の立場は首尾一貫している。それはこうだ(竹森節の毒が抜けきらないのだけれど、どうかご容赦されたい)。 まず、「失われた十年」「実感なき景気回復期」をふくむここ二十年の経済停滞を、政府与党および日銀の失政と、その失政に対して最適化行動をとった財界の責任だとする(ここで「財界」を指弾することに抵抗を感じる読者はいるだろうけれども、今はおいといて)。この経済失政のせいで、失業はふえ、賃金も上がらず、「格差社会」ならぬ「貧困化社会」が到来することになってしまったのだ。不況を「人災」と呼ぶ所以である。 しかるに、来ならばこうした失政をだ

    やさしい左翼のための経済学―『不況は人災です!』 - 事務屋稼業
  • 希望の経済学―『日本の「失われた20年」』 - 事務屋稼業

    1.書について むしろ政策提言を行う大学エコノミストは専門研究をおろそかにするものとして(たとえ専門研究と並行していても)大学のムラ社会では異端視される。これが日経済学者たちの現状なのだ。そして民間エコノミストや官界エコノミストたちの多くがサラリーマン根性で組織の弁護でしかないような発言に終始するのが常態であるとすれば、いったいどこから当の声は聞けるのだろうか。もちろん何事も例外はある。私は正直にいえばそれらの例外的なエコノミストたちの姿を何人も見ているのでそれほど悲観的ではない。 田中秀臣『経済政策を歴史に学ぶ』 書は民間エコノミストの片岡剛士氏が、藤原書店主催の第四回河上肇賞(賞)受賞論文をもとに、おおはばな加筆修正を行なって仕上がった一冊だ。 内容はシンプルかつインパクトのある書名がしめすとおり。バブル崩壊後の長期停滞、「実感なき」景気回復期、その後の二段階不況(←いまこ

    希望の経済学―『日本の「失われた20年」』 - 事務屋稼業
    Itisango
    Itisango 2010/02/28
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