ソフトウェアの品質、複雑性、生産性などを具体的な数値で測るのが「ソフトウェア・メトリクス」ですが、何をどう計測し、計測値をどう使えばよいかという根本的な問題はいまだに解決されていません。 連載第21回から前回までの内容で、ソフトウェア・メトリクスの歴史を「混乱期」「胎動期」「活動期」「反抗期」「成熟・定着期」に分割し(図1)、ソフトウェア・メトリクスの歴史をひもときながら、ソフトウェア・メトリクスの本質に迫りました。 今回は、その“番外編”として、「タチの良い計測値」「タチの悪い計測値」について述べます。 計測値のタチの良しあし いろいろな組織で、ソフトウェア開発における成果物や生産プロセスを独自のメトリクスで計測しています。しかし、この計測値には、タチの良しあしがあるので、十分注意が必要です。 下手をすると、せっかく時間と労力を費やして測った値がまったく役に立たなかったり、最悪の場合、逆