目次 はじめに 1.経験学習理論 2.経験から学ぶプロセスを考える 2-1.「具体的経験」を考える 2-2.「省察」を考える 2-3.「概念化」を考える 2-4.「試行」を考える 3.経験学習を通じた人材開発 3-1.人事ローテーションによる経験学習の提供 3-2.研修プログラムによる経験学習の提供 3-3.OJTを通じた経験学習の提供 4.おわりに はじめに 社会人の能力開発の70%以上は、現場での経験によるものだといわれています(注1)。つまり、伝統的な研修、すなわち教室でなされる知識伝達型の研修が能力開発に寄与しうる部分は僅かに過ぎず、大半が業務経験によってもたらされるのです。 この背景には、教室でなされる研修の限界が関係していると考えられます。研修では大勢で多様な受講者を対象にするため、どうしても汎用的な理論や知識を伝えることが多くなってしまいます。一方で、そこで学んだことを活用す