日本郵政西川善文社長の再任を認めないとする鳩山邦夫総務相を麻生首相が事実上、更迭し、昨日は話題になった。 形式的に見れば鳩山前総務相に問題はなかった。日本郵政株式会社法第九条に「会社の取締役の選任及び解任並びに監査役の選任及び解任の決議は、総務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない」とあり、社長選任の非認可は総務相の権限行使の正当な範囲である。問題があるとすれば、総務相の判断が政府を代表していない場合であり、今回はそれに相当した。首相は不適切な閣僚を任命したことになる。だが今回の騒動はそれだけで済むことではない。世論の一部は由々しき問題のように見ていたし、与党も野党も麻生内閣への不信といった構図で批判していた。鳩山前総務相の主張の是非が問われたかのようにも見えた。 鳩山前総務相は更迭されるにあたり、征韓論で敗れた西郷隆盛の「岩倉公、過てり」の故事を引き、麻生首相を岩倉具視に模し、自身