当面の市場動向のカギを握るイベントとして市場が注目していた米8月の雇用統計が、9月3日に発表された。民間部門の雇用者数は+6万7000人(前月差、以下同じ)となり、市場予想の中心であった+4万1000人よりも強い数字になった。6月分は+3万1000人から+6万1000人へ、7月分は+7万1000人から+10万7000人へ、それぞれ大幅に上方修正された(上方修正幅の合計は+6万6000人)。米国経済が「日本型デフレ」に陥るのではないかといった、筆者からみると「行き過ぎた悲観論」に属している市場の思惑は、さらに後退。米長期金利は上昇した。 今回の雇用統計で、非農業部門雇用者数全体は▲5万4000人となり、3カ月連続で減少した。連邦政府による国勢調査関連の一時雇用の減少(▲11万4000人)が主因である。政府部門全体では▲12万1000人。そのうち財政難に苦しむ州・地方政府の雇用は▲1万人だった