国境を越えたM&A(企業の合併・買収)が国際化の象徴かのようにもてはやされる日本。しかし、その風潮は甘い見方かもしれない。米国では、安全保障の観点から、海外企業による米国企業へのM&Aに対して監視の目をひからせているのだ。背景には、M&Aの主役が強い同盟関係にある英国のファンドなどから、中国企業を中心とした新興国マネーに変わったきたことがある。技術流出に伴う軍事転用やスパイ行為が米国を脅かす恐れはないのか。命獲りになりかねないM&Aに米当局は神経をとがらせている。 M&Aに拒否権持つ米国 最近、中国企業による米国企業への巨額投資案件が次々、ストップしている。 今年2月、中国の半導体大手、紫光集団はデータ記憶装置大手、米ウエスタン・デジタルへの出資を断念すると発表した。 紫光は2015年9月、38億ドル(4245億円)を投じてウエスタン・デジタル株の15%を取得する資本提携を発表したが、半年
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