数年から数十年にわたって続く「慢性の痛み」。本人のつらさは医療者や身近な人にも分かりにくく、孤独に陥る人も少なくない。患者主体の医療を目指す認定NPO法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」(東京都)が先月、都内で開いたシンポジウムには、当事者も登壇。社会の理解が進むよう訴えた。 (竹上順子) けがや病気による一時的な「急性の痛み」に対し、通常は治ったと考えられる時期を過ぎても続くのが「慢性の痛み」。関節リウマチや線維筋痛症など、さまざまな病気によって引き起こされる一方、何年も診断が確定されないケースもある。痛みは外見からは分かりにくい上、治癒のめどが立ちにくいことから、社会生活に困難を抱える患者は少なくないという。 シンポジウムで講演した三谷直子さん(48)は、三十八歳の時に左足首を捻挫。近所の整形外科に通い、けがは治ったものの「剣山の針を刺されているような」異常な痛みなどが出始め