図7-6に示す一点グラウンド(一点アース)というレイアウト設計の基本は、「回路内のすべての電圧に対し、基準電位となる1点を規定する」という考え方に基づいています。この共通のグラウンドの箇所を「一点グラウンド(一点アース)点」と呼びます。 図7-6 「一点グラウンド(一点アース)」の考え方 ■そうは言ってもなかなかうまくいかない このレイアウト設計の考え方は、コンセプトとしては道理にあったものですが、実際の場面では往々にして支障がでてきます。 たとえば一点グラウンドで回路設計をしており、信号の相互作用や高インピーダンス信号、グラウンド経路の影響が最小限に抑えられるように、それらの信号経路を設計図面上にきちんとすべて書き込んだとしましょう。 それでも、レイアウトしたプリント基板に思いもよらぬグラウンド経路が出来ていたり、電源を印加したとき本来のグラウンド経路に流れる電源電流が予想以上に大きかっ