cakesは2022年8月31日に終了いたしました。 10年間の長きにわたり、ご愛読ありがとうございました。 2022年9月1日
今日は、映画『この世界の片隅に』についての話。 もうすでにいろんなところで評判になっている。たくさんの人が心を揺り動かされている。絶賛されている。「映画館で観るべきだ」って言っている。僕も同意。名作だと思う。だから付け加えることはないかなとも思ったんだけど、やっぱり自分が感じたことを書いておこう。 僕は試写のときと、公開翌日と、2回観た。どちらも、途中から気付いたら涙ぐんでいた。なんと言うか、「感動を体感する」ってこういうことなんだと思った。原作は読んでいたから話の筋はわかっていたけれど、そういうこととは関係なしに、伝わってくるものがあった。物語というものの持つ本質的な力に触れたような感覚があった。 最初の感想ツイートは以下。 『この世界の片隅に』観てきました。試写含めて2度目だったけどやっぱり涙ぐんでしまった。「描く」ということについて徹底的に貫いた作品だと思った。すずさんが絵を描く人だ
未組立プラモ写真家。稀に組む。山登る。からぱたへのお問い合わせ、文章・写真・DJ・飲酒のオファーはTwitter @kalapattar からどうぞ
私は幼稚園のころ生まれて初めて映画館に行き、『ゴジラVSビオランテ』を観た。正直その時のことはほとんど覚えていないし、内容もほとんど理解できなかったと思うが、その時からゴジラにハマり、今に至るまで怪獣特撮ファンとして生きてきた。 90年代中盤まで、ゴジラのコンテンツパワーは凄まじいものだった。毎年1本ゴジラが劇場公開され、配給収入2~30億を稼ぎ、ジブリと競うようにその年の邦画ランキング1、2位を獲っていた。特撮が大衆娯楽のトップになりえたのだ。しかしゴジラのコンテンツパワーは、『VSデストロイア』( 95年 ) の観客動員400万人をピークに急激に凋落していく。ピークから9年後の『FINAL WARS』( 04年 ) では観客動員は100万人にまで落ち込み、ゴジラは眠りについた。 なぜ、ゴジラというコンテンツは急速に観客に受け入れられなくなってしまったのだろうか。 私はエンタメ業界でプロ
北海道帯広市 · twilog.org/ynabe39 渡邊 芳之(わたなべ よしゆき、1962年4月22日 - )は日本の心理学者。帯広畜産大学人間科学研究部門(人文社会・体育学分野)教授。博士(心理学・東京国際大学)。 佐藤達哉、尾見康博との共同研究を中心に心理学論、心理学史、人格心理学や血液型性格分類の批判的検討などの分野に論文・著作を持つ。趣味はレコード蒐集。 http://ja.wikipedia.org/wiki/渡邊芳之 渡邊 芳之 -帯広畜産大学- http://www.obihiro.ac.jp/ichiran/watanabe_yoshiyuki.html 渡邊芳之 @ynabe39 表現の自由は「絶対的なもの」だという意見と、表現の自由を守るために表現者は自制して「悪質な表現」を控えるべきだという意見が同じ人の口から出る不思議。 2016-02-01 03:43:51
今回は『ドラゴンボール』の悟空のディスコミュニケーションについて語っていこうと思います。 鳥山明「悟空は子育てに興味がないんですよ、多分。父親としては完全に失格(笑)。働いてもいないですからね。悟空はただ強くなりたいだけで、他の本能はない感じなんですよ。だから興味のないことには本当に何の興味も示さない。きっと結婚も興味なかったんだと思います」 ドラゴンボールガイド 孫悟空伝説より **父親としての無条件の愛 まず、この画像をご覧ください。 身を挺すピッコロ ピッコロが敵である悟空の子供を救うため、自分の命を捨てて盾になる場面です。 ラディッツとの死闘で命を落とした悟空の代わりに悟飯を鍛えたピッコロが一年を共にに過ごすうちに、父性愛に目覚め、悟飯の命を救いました。 ピッコロは悟飯をサイヤ人と戦うための道具としか考えていなかったはずなのに、最終的には自分の命を捨てて悟飯を救いました。 忌わの際
はじめに 2014年9月25日、私は下記の記事をアップした。 『アナと雪の女王』のクリストフはどう描かれているのか? 山男視点で解説【完全ネタバレ注意!!】(追記あり) http://semimaruclimb.hatenablog.com/entry/2014/09/25/000309 その後、ディズニー映画『アナと雪の女王』(以後「アナ雪」と表記する)は民族差別的であると批判し、アナ雪の制作陣がサーミ人のアドバイザーを一人たりとも置かなかったことを問題視する人が海外には少なからず存在することを知り、こうした意見を一顧だにしないことも良くないのではないかと思い始めた。ノルウェイ・サーミ協会の Aili Keskitalo 会長は、 「我々についての物語が、我々自身によってではなく、他者によって語られることが多い」 と述べている。ただし Keskitalo 本人によれば、このコメントはアナ
今回はタイトル通り、『プロジェクトA』でジャッキー・チェンが魅せた時計台落下の謎について検証してみます。 時計台落下の謎といっても、いわゆる「ジャッキーは〇回落ちた」とか「マースも落ちた」とかそういった話ではございません。 今回のテーマは「ジャッキーが落ちた時計台は何メートルの高さ」だったのか、です。 この時計台落下、日本では一般的に“25メートル”とされていることが圧倒的に多いのですが、実は諸説あるんです。 そもそも25メートルって、よくよく考えたらビル7~8階分ほどですよ。 さすがにコレは…、ということでいつものように気になってしまったんです。 というワケで、どーでもイイ人にとってはホントにどーでもイイ話かもしれませんが、 興味のある方は最後までお付き合いください☆ 1.はじめに 一応前もって言っておきますが、このスタント、25メートルだろうが15メートルだろうが凄いことに変わりはあり
金曜ロードショーで放送されていた「かぐや姫の物語」をみました。 要するに、何でもできる超美人(財ももたらす)と、娘の幸せを勝手に定義する父親と、美しさだけしか見えていない金持ちの男たちの悲劇というそういう話でしかないんですけど、予想以上にバッドエンドでした。 感想などはネットなどでちょいちょい見かけていたので、なんとなく話は想像できていたのですが、私の感想をざっとまとめるとこんな感じ。 ・何か恋愛めいたものを含ませるような少年少女期の姫と捨丸のやり取りにうんざりした ・少女の初潮でいちいちストーリーを展開させる定番イベント、いい加減どうにかならないの? ・上げ膳据え膳の金持ちのおっさんどもが酔って、姫にまで手を出そうとしてて、現代の飲み会のセクハラシーンそのものであった ・その恐怖の場でスーパーウーマンの姫がおっさんを叩きのめさず、ただ逃げるだけというのが日本のアニメの表現の限界という気に
twitterで書いたものをまとめます (指摘頂いた人名などの誤字は修正。) gryphonjapan@gryphonjapan ツイートで本の感想書いて、あとでまとめるシリーズ 四方田犬彦「『七人の侍』と現代」(岩波新書) :「七人の侍」はさまざまに神話化され、そのせいで正体が見えないことが多い。著者がその真実を洗いなおすのだが、外国経験も多い彼が「いかにクロサワが世界で愛されたか」を語る挿話が面白い。 :黒澤が死んだ日、キューバ映画研究所に留学してた著者は所長から「どうか気を落ち着けて聞いてくれ。貴国の偉大なクロサワが先ほどなくなった」と厳粛に伝えられたという。カストロも追悼声明を出し、街角で「クロサワ!」「ヨジンボー!」と声を掛けられた。 逆に、筆者のほうが戸惑ったとか。 キューバが特にクロサワ映画を愛好し、七人の侍や用心棒を自分の国や或いはカストロ、ゲバラの革命になぞらえてる…正確
日本は、「学校」と「企業」が似たようなシステムになっていて、この二つが一時期めざましく成功したことがあった。もちろん今はそれが足枷になっているので、これからうまい手を打てなければ後に「失敗」として記録されることになるのかもしれない。 日本における学校や企業の特徴は、そこに所属しているということが何よりも重要になる「メンバーシップ主義」であり、その枠組みから外れれば人生オワタ\(^o^)/ということになりやすい。 これは何も人々の意識や感情の問題だけでなく、雇用の仕組みから賃金制度、社会保障などの部分がすべて「学校」と「企業」の「メンバーシップ」という仕組みの枠内で賄われていて、そこから外れた場合の公的なサポートが整備されていない。 本エントリーは、河出ブックス『平成史』に寄稿された貴戸理恵著『教育-子供・若者と「社会」の繋がりの変容』を参考にしている。だが、僕はねじ曲がった解釈をしていると
1.あらかじめ断っておくと、いつの時代にもインターネットには事実でも真実でも無い書き込みがたくさんあった。例えばパソコン通信上の文面や、ウェブサイト同士の友誼を掲げた文面で、本心とも事実とも一致しないような玉虫色の言葉が弄されることなど、そう珍しくもなかったと記憶している。 それでもなお、インターネットでしか読めない真実・インターネットでしか語られない事実、といったものは掘ればザクザク出てきた。インターネットで内緒話や秘密の打ち明け話ができると勘違いしている人、インターネットがアンダーグラウンドだと信じている人――こういった無邪気なユーザーによって、インターネットには湖底から湧き出すメタンガスのごとき真実や事実が充満していた。 2014年から眺めると、そうしたイノセントな書き込みは、インターネットに対する無知・誤解・錯覚によって生み出されていたと決めつけたくなるが、それだけでも無かったよう
2014年07月06日18:30 ヨーロッパが1つに統一されなかったのは何故 カテゴリ西洋史 waruneko00326 Comment(20) 1: しゃるるまーにゅ 中国は巨大な統一国家が何度も登場しているのに ヨーロッパは、その半分も面積がないにもかかわらずローマ帝国以後 なぜに統一されず、いくつかの国に分裂したままだったの? やっぱりゲルマンの王権相続制に問題があったんですか? 3: 世界@名無史さん 地形考えろ。 4: Peak 地形については古代ローマ帝国の例もあるから、 克服できないほどではなかったと考えるべき。 8: 世界@名無史さん >>4 それはどうだろう。 古代ローマ帝国の版図は全ヨーロッパを含んだものじゃなく、あくまで地中海沿岸だけだろ。 7: しゃるるまーにゅ ローマ帝国の最大時の領土は約720万平方㎞、唐もだいたい800万平方㎞ ですよ。 シャルルマーニュ時代の
先日、飲み会の席で「…だって世の中、『飛行機がなぜ飛ぶか』ということすら、本当は分かっていないんですから」という声が聞こえてきた。読者の多くの方もきっと、同じ話を耳にしたことがあると思う。 「常識と思っていることは、実は単なる思いこみだ」という文脈か、「科学なんてたいしたことないじゃないか」という話か、そこまでは分からなかったが、声にはちょっと嬉しそうな響きがあった。 もちろん科学は宗教ではない(こちら)。「信じる」ことが基本姿勢の宗教に対して、科学のそれは「疑う」ことだ。リンク先の記事の通り、科学を宗教的なものと誤解しないためにも、「本当はどうなんだ?」と疑う姿勢は大切だ。その一方で、「結局、科学といっても本当は何も分かってないんだよ」という見方は、シニカルな態度にもつながっていきそうでなんとなく違和感がある。 それはさておき、高速で空を飛び、多くの人命を載せる航空機がなぜ飛ぶか、本当に
昔、若い漫画家から「ボク、水木しげると横山光輝が読めないんです」と言われた事が。絵柄とか内容の問題ではなく、内容が頭に入ってこないのだと言う。読字障害とかでなく、セリフと絵とコマとコマのシーンの流れが繋がらないと。 水木先生はともかく、横山先生の職人的構成力をひたすら尊敬する自分としては、ぽかんとしたんだけれども、それはキミの好みだよと切り捨てるには、チョット引っ掛け部分もあって、以来ずっと考えているんですが。一つの仮説として、お二人の作風のルーツに、紙芝居があるからではないか、と。 手塚治虫以来、日本の漫画は映画的な手法をコマの中に落とし込む方向で進化してきたわけで。それが主流派になったから忘れ去られがちだけど、日本の表現の文化としては、実は紙芝居やそれに連なる系譜の表現というのは確実にあって。映画的な表現が流れを追うのに比較して、紙芝居は異なる。 ちょっと乱暴な事をいえば、映画的な表現
秒速5センチメートル 通常版 [DVD] 出版社/メーカー: コミックス・ウェーブ・フィルム発売日: 2007/07/19メディア: DVD購入: 6人 クリック: 180回この商品を含むブログ (329件) を見る えーと、なんか嫁が「そういえば観てないから観たい」とか言ってて、なんかまぁまぁオタクの教養的な、2年の1学期で習うみたいな作品とのことでとりあえずTSUTAYAで借りてきて観ました。観始めて5分から「あ、これあかんぞ」と思いつつ「でも観ないことには、とりあえず観ないことには」と頑張って最後まで観たのでこれで何のうしろめたさもなくdisれてご飯がうまい。 直感的になされたこの作品に対する僕の最初の言語化は、「あ、これポルノや」でした。 ここで僕が使った「ポルノ」という単語なんですが、そんな狭義的な手放しに共有可能な辞書に載ってるニュアンスよりはもう少し広いと思われますのでまずは
「一、局を脱するを許さず」「一、勝手に金策いたすべからず」-。言わずと知れた新選組の「局中法度書」の一節である。5箇条からなり違反者は切腹という厳しいもので、これで命を落とした隊士も相当いたという。法度を後世の創作とする説もあるが、規律のない組織も常識的には考えられない。そこで法度の真偽も含め、新選組と規律の関係を検証してみたい。禁令がモデルか? 子母澤寛の小説「新選組始末記」によると、局中法度は5箇条からなり、新選組の結成直後の文久3(1863)年に定められたとされている。 ただそういった正式の記録はなく、新選組の生き残り幹部、永倉新八がのちに語った回想録の中で、「禁令(または法令)」なるものがあったということがわかっている。 その内容は局中法度5箇条のうち、「私の闘争を許さず」を除いたもので構成されていたという。この結果、子母澤が新選組の小説を書くにあたり禁令を母体にして「法度」を創作
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