政府が相手国のミサイル発射拠点などをたたく反撃能力(敵基地攻撃能力)の保有を含む安全保障関連3文書を閣議決定した16日、立憲民主党は「政府3文書の『反撃能力』には賛同できない」とする声明を発表した。「国会での議論も、国民的合意もない」ままの決定は容認できないとの内容だ。ただしこの声明には、そもそも立憲は反撃能力の保有に賛成なのか、反対なのかという基本的認識は記されていない。声明取りまとめの過程をたどると、理想と現実のはざまに揺れる立憲の苦悩が浮かび上がった。 「だから別に、まとめるスピード競争をした覚えはない。単に我々のスケジュール感の中で取りまとめを順調に行っている」。反撃能力保有の閣議決定を数時間後に控えた16日午前。立憲の泉健太代表は記者会見でいら立ちを隠さなかった。 この日までに日本維新の会や国民民主党は反撃能力の保有に賛成、共産党やれいわ新選組は反対する姿勢を打ち出していた。泉氏