ブックマーク / www.enpitu.ne.jp (7)

  • よしもとばななさんの「ある居酒屋での不快なできごと」 - 活字中毒R。

    人生の旅をゆく』(よしもとばなな著・幻冬舎文庫)より。 【この間東京で居酒屋に行ったとき、もちろんビールやおつまみをたくさん注文したあとで、友だちがヨーロッパみやげのデザートワインを開けよう、と言い出した。その子は一時帰国していたが、もう当分の間外国に住むことが決定していて、その日は彼女の送別会もかねていたのだった。 それで、お店の人にこっそりとグラスをわけてくれる? と相談したら、気のいいバイトの女の子がビールグラスを余分に出してくれた。コルク用の栓抜きはないということだったので、近所にある閉店後の友だちの店から借りてきた。 それであまりおおっぴらに飲んではいけないから、こそこそと開けて小さく乾杯をして、一のワインを七人でちょっとずつ味見していたわけだ。 ちなみにお客さんは私たちしかいなかったし、閉店まであと二時間という感じであった。 するとまず、厨房でバイトの女の子が激しく叱られて

    JuliusCaesar
    JuliusCaesar 2009/08/15
    チェーン店で飲んで「自分たちを特別な客と分からない店長なんて」と陰口叩くとはほとんど嫌がらせの域だろう。
  • 活字中毒R。

    『サンデーとマガジン〜創刊と死闘の15年』(大野茂著・光文社新書)より。 (「時期を同じくして(1959年3月17日)創刊された、「週刊少年サンデー」(小学館)と「週刊少年マガジン」(講談社)のライバル関係を描いた新書の一部です。「週刊少年マガジン」の看板となった『巨人の星』の誕生秘話) 【1965年の年末に、梶原(一騎)からマガジンへ『巨人の星』第1回の原作(文字)原稿が届いた。話は、戦前の巨人軍で幻の三塁手と言われた星一徹が、うらぶれた貧乏長屋で息子の飛雄馬と暮らしているところから始まる。父のスパルタ教育で、小学生にして驚異的な野球技術を身につけた飛雄馬が大騒動を巻き起こす……第1回目から息をもつかせぬ波乱万丈の筋立てである。 その文字原稿を読んだ上司の椎橋(しいはし)久局長がこんなことを訊いてきた。 「ときに、星一徹というのは何年ごろにジャイアンツにいた選手だったかな?」 創作であり

  • 活字中毒R。―村上春樹「ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思う」

    『文藝春秋』2009年4月号の村上春樹さんへの独占インタビュー「僕はなぜエルサレムに行ったのか」より。 (2009年2月15日にイスラエルでエルサレム賞を受賞され、「壁と卵」のスピーチをされた村上春樹さんへの独占インタビューへの一部です。引用部はすべて村上さんの発言) 【ネット上では、僕が英語で行ったスピーチを、いろんな人が自分なりの日語に訳してくれたようです。翻訳という作業を通じて、みんな僕の伝えたかったことを引き取って考えてくれたのは、嬉しいことでした。 一方で、ネット空間にはびこる正論原理主義を怖いと思うのは、ひとつには僕が1960年代の学生運動を知っているからです。おおまかに言えば、純粋な理屈を強い言葉で言い立て、大上段に論理を振りかざす人間が技術的に勝ち残り、自分の言葉で誠実に語ろうとする人々が、日和見主義と糾弾されて排除されていった。その結果学生運動はどんどん痩せ細って教条的

  • 活字中毒R。 - 『ジャンプ放送局』が終了した「本当の理由」

    ジャンプ放送局 帰ってきたジャンプ放送局!!の巻』 (SHUEISHA JUMP REMIX) より。 (連載当時のスタッフが『ジャンプ放送局』を振り返る対談記事『13年ぶりのジャンプ放送局』の一部です。参加者はさくまあきらさん、横山智佐さん、土居孝幸さん、榎55歳(榎一夫)さんの4名です。文中のJBSは「Jump Broadcasting Station=ジャンプ放送局」の略) 【――ハガキは毎週どのくらい来てたんですか? さくまあきら:最初の半年は苦労したね。でもそこからは1年で3万通に達して、そこから4万通くらいいって。JBSクエストの時は10万通越えたからね。ほんと視力落ちたもん。それと手にインクがついちゃう。 榎55歳:そうなのねん。指紋がなくなっちゃうよって。 さくま:えのクンがね、「悪いから手伝いますよ」って言って、200枚で根を上げてる(笑)。 榎:「お先なのねん

  • 活字中毒R。

    『BSアニメ夜話 Vol.02〜機動戦士ガンダム』(キネマ旬報社)より。 (名作アニメについて、思い入れの深い業界人やファンが語り合うというNHK−BSの人気番組の「機動戦士ガンダム」の回を書籍化したものです。この回の参加者は、岡田斗司夫さん(作家・評論家)、乾貴美子さん(タレント)、北久保弘之さん(アニメ演出家・監督)、有野晋哉さん(タレント)、福井晴敏さん(作家)、小谷真理さん(評論家)、井上伸一郎さん(元アニメ雑誌編集者)、氷川竜介さん(アニメ評論家・ライター)です) 【岡田斗司夫:あの、『ガンダム』の打ち切り、あれってどうだったんですか? 氷川竜介:え〜っとね、スポンサー事情とか低視聴率とか言われているんですけど、人気はね、あったんですよ。雑誌はバカ売れしていたし、僕は放映中からレコードの仕事をやらせてもらっているんですけど、最終回の放映前に台もらってドラマ編の構成作れと言われて

  • 活字中毒R。どうして日本人には「亡命」する人がいないのか?

    『相手に「伝わる」話し方』(池上彰著・講談社現代新書)より。 【ニュースにはむずかしい言葉が数多く登場します。テレビを見ている人は、むずかしい言葉、意味のわからない言葉が出てくるたびに、そこから先へは理解が進まなくなります。その言葉がキーワードだったら、視聴者にはニュースに伝わらなくなります。 逆に言えば、キーワードをわかりやすく説明することができれば、見ている人は、「ああ、そういうことなんだ」と腑に落ちることでしょう。 むずかしい言葉の多くは、漢字の熟語です。幸いなことに、私たちが使っている漢字は、ひとつひとつの文字が意味を持っています。その漢字の意味をおさらいするだけで、むずかしい用語の説明ができ、ニュースのポイントも理解できることが多いのです。 たとえば、「亡命」という言葉です。 2002年5月、中国の瀋陽で発生した、北朝鮮からの越境者による「亡命」事件。自分の国にいては生きていけな

    JuliusCaesar
    JuliusCaesar 2008/08/25
    "この場合の「命」とは、「戸籍」を意味することがわかりました。"日本に亡命する人がいないのは、日本政府が受け入れないからです。
  • 活字中毒R。「十人のうち九人まで汚職している環境で一人だけ清潔なら、どうなると思う?」

    『北京大学てなもんや留学記』(谷崎光著・文春文庫)より。 (中国の名門中の名門・北京大学での留学体験記の一部です。中国人学生たちの「賄賂」についての考えかた) 【学内だけではなく、学校周辺の小さな店に行くのも楽しい。こういう店には中国人学生に連れていってもらった。 北大(この文章での「北大」=「北京大学」です)西門近くの手羽焼き屋さんは週末の夜は真夜中までやっていて、炭火がぱちぱちとはぜ、そこに上からスパイスをふりかけると、パッと赤く燃えあがる。夏は校内の外れに屋台も並ぶ。試験が終わると飲んだくれるのは、どこの国の学生も変わらない。 官僚になる人も多いこの学校では、卒業後の切実な問題は「汚職にかかわるか否か」。 「どうするんだ、公務員試験受ける?」 「だけどなったら非貪不可(フエイタンブク・汚職しないわけにはいかない――「非〜不可」の構文が一発で記憶できるいい例文です)だしなぁ。危険だ」

    JuliusCaesar
    JuliusCaesar 2008/07/28
    「日本も同じ」なら、逆に考えればいつか中国も日本と同程度には汚職の少ない社会になれるのだろうか。
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