今年3月に惜しまれつつ引退した京阪電気鉄道(京阪電車、大阪市)の特急「テレビカー」が、遠く離れた北陸の大地で“第二の人生”を送っている。富山地方鉄道(富山地鉄、富山市)が京阪電車から買い取った中古車両を改装してリバイバル。もう見ることはできないと思われていた、おなじみの車両が雄大な富山の自然をバックに走る姿に、鉄道ファンから熱い視線が送られている。 テレビカーは昭和29年に関東の鉄道会社でデビューし、京阪電車が46年、日本で初めてカラーテレビを特急に設置。NHK番組や沿線に多い阪神タイガースファンのためにナイター中継を放送する山吹色と赤の鮮やかなカラーの車両が、人々に親しまれていた。 しかし、テレビが搭載されていない新型車両の増加とともに1両、また1両と姿を消し、とうとう昨年7月、最後の1編成の引退が決定。今年3月31日のラストランには大勢のファンが詰めかけ、59年間のテレビカーの歴史にい