相続対策をする際に、不動産を活用する人は少なくありません。現金を不動産に換えると、相続税評価額が圧縮され、相続税の負担を軽減する効果が期待できるためです。 しかし、不動産を用いた相続対策にはメリットもある反面、デメリットもあります。また、相続財産に含まれていると、相続人のあいだでトラブルが生じるかもしれません。 この記事では、不動産を活用した相続対策のメリットやデメリット、よくあるトラブルとその対処方法などを、相続税専門の税理士が解説します。 1.不動産が相続対策になぜ効果的なのかまずは、不動産が相続対策に効果的な理由を理解するために、相続税評価額の算出方法や適用できる特例など、基本的な知識を押さえておきましょう。 1-1. 現金を不動産に換えることで相続税評価額が下がる相続税の計算では、相続財産を相続税評価額で評価します。相続財産の合計金額から、被相続人が残した借入金や未払金などの債務や