大手予備校「河合塾」が昨年度に行った保護者向けの説明会で、同塾の模擬試験の成績などにより入試を優遇する私立高校があると説明していた疑いのあることが29日、同塾の労働組合「河合塾ユニオン」の指摘で分かった。文部科学省は平成5年の都道府県向けの通知で、業者テストを高校入試で利用しないよう求めており、事実とすれば通知に反する恐れがある。 この日会見した同労組によると、河合塾は昨年11月の「進学講演会」などで、公立高受験の“滑り止め”として私立高を受験する場合に、高校が定める内申基準に達すれば出願時点で合格がほぼ保証される「併願優遇制度」について説明。その際、「内申が基準に満たない場合でも、模試の成績など別の基準をもとに併願優遇扱いを約束してくれる高校がある」とし、東京や埼玉の私立高7校の具体名を挙げたという。 文科省は、内申基準をもとにした併願優遇は否定していないが、模試などでの優遇扱いはしない