ライター・永江朗氏の「ベスト・レコメンド」。今回は、『やさしくない国ニッポンの政治経済学』(田中世紀、講談社選書メチエ 1100円・税込み)を取り上げる。 * * * 生活保護について考えると暗い気持ちになる。役所は受給申請者を門前払いし、ネットでは受給者バッシングが止まない。そのため受給せずに餓死したり病死したり自殺したりする人が絶えない。生活保護受給者への批判は、カネがないなら死ねと言っているのと同じだ。 いつから日本人は困っている人に対して冷酷になったのだろう。弱者や困窮者に冷たいのが、日本人の国民性・民族性なのだろうか。田中世紀『やさしくない国ニッポンの政治経済学』を読みながら考えた。 著者はオランダのフローニンゲン大学助教授で、専門は政治学・国際関係論。 残念ながら、日本人がやさしくないということについてはデータがある。イギリスの財団が作成した「世界人助け指数」の総合ランキン
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