2015年11月13日金曜日。この日付は、欧州で永遠に記憶されるに違いない。テロ組織イスラム国(IS)がパリで実行した同時多発テロは、第二次世界大戦後、欧州が直面した最大の危機である。2001年9月11日にアルカイダがニューヨークとワシントンDCで実行した同時多発テロは、米国を大きく変質させた。11月13日事件も、欧州を大きく変えることになる。フランスと欧州諸国は、今後地上部隊をシリアに派遣することも視野に入れながら、軍事手段によるISの制圧をめざすだろう。 パリの虐殺 今回の事件の特徴は、犯行の無差別性、残忍性である。パリでは、今年1月にもイスラム系のテロリストが風刺週刊新聞「シャルリ・エブド」の編集部とユダヤ系のスーパーマーケットを襲撃し、イラストレーター、ユダヤ系市民ら17人を殺害した。この事件はフランスだけでなく全世界を震撼させたが、犯人たちが狙ったのは、預言者ムハンマドの風刺画を