公共図書館評価の二つの視点:貸出冊数と国会附帯決議 2018. 1.30 薬袋秀樹 ①貸出冊数の評価 公立図書館の重要な課題のひとつは図書館評価です。最近、また、貸出冊数による評 価を重視する考え方が見られるようになりました。大変不思議な気がします。貸出冊数 の非常に多い図書館のリストや、貸出冊数による評価と「望ましい基準」を結びつける 意見まで見られます。このことについて考えて行きたいと思います。 『図書館ハンドブック』第6版(日図協、2005)を見たところ、次のような記述があ りました(p.179)。 第Ⅲ章 図書館経営 H 図書館の統計と調査 2 統計の種類 b 利用統計 (1)統計の種類 (b)特徴と課題 (中略) しかし近年図書館を評価する基準として、貸出統計に偏重しすぎているのではないか という疑問も提起されている。 (中略) ・貸出件数はさまざまな要素(例えば、資料費、職員数