約5年振りに観返した『けいおん!』11話。澪と律が喧嘩する話としてもかなり有名な本話ですが、その妙にリアルで冷たい空気を感じさせるこの回も私自身の中では大分トラウマとして記憶されていたためか、当時から今一歩「観直そう」という気持ちには至れていませんでした。けれど「今観ればあらゆる印象が大きく変わって観えるのではないか」と背中を押して貰えたのもあり、久しくこの挿話を観てみることにしたわけですが、その通りでした。 それこそこの話ってトラウマなんて言い切れてしまう程、ひどく辛さに満ちた話でもなければ、その画面から滲み出ていたのは決して冷え切った印象だけではなかったんです。むしろ、この挿話を観終え新たに得ることの出来た「この世界はこんなにも優しかったんだ」なんていう印象のお陰で、今はたくさんの幸せで満たされているような気さえしています。 それも一言に言い換えるのであれば“誰かが誰かをみつめる視線”