竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は、「結婚して20年以上経てば税金が有利になるというのは本当ですか?」と、以下のような質問が寄せられた。 【質問】 結婚期間が20年以上の夫婦の場合、妻が夫名義の自宅の土地や建物を贈与されると、贈与税が安く、しかも配偶者控除が受けられて、税金面でも有利だそうです。それをどこかから聞いてきた妻が、そうしてくれというのですが、本当ですか。財産の生前贈与とはどう違うのでしょうか。 【回答】 奥さんがいうのは相続税法21条の6でいう「贈与税の配偶者控除」の制度のことです。個人間で贈与があると、受贈者に贈与税がかかります。贈与した物を贈与者が死亡時に持っていれば相続税の対象となりますが、生前にこれらのものを妻子に贈与すれば、相続税を免れます。そこで相続税の補完として、相続税法中に贈与税が規定されています。 しかし、長い夫婦関係からは、夫婦間の財産のやりとりについ