安倍晋三首相が進めるアベノミクス。株高は続いているが、景気回復の実感がないという指摘もある。日本の債務は膨らむばかり。このままでいいのだろうか。評論家の山形浩生氏は「債務か成長か、という通俗的な議論はまちがっている。債務を一時的に増やして成長をとげ、その結果として債務は下がるのだ」という。どういうことか。2冊の本を通じて、アベノミクスの行く末を解説する――。 「自民大勝」はアベノミクスへの評価である 衆議院選挙で、ありがたくも自民党が大勝した。メディアは本当にくだらない属人的な政局報道に右往左往するばかりで、さらに選挙後は、自民党は支持されたが安倍政権は支持されていないといった変な意見をやたらに紹介している。でも自民党の中で安倍政権以外の選択肢が何も出されていない以上、これはずいぶん変な話だ。いまの安倍政権が支持されていると考えるべきだし、そしてその評価の基盤は、その経済政策の成功にあると
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