「クソどうでもいい仕事」という現象 W杯前の5月上旬、サッカー日本代表の本田圭佑選手が、分厚い学術書『負債論』(以文社、2016年)を「最近読んだお気に入りの本」とツイートして話題になった。 一方、海の向こうイギリスでは、その著者・社会人類学者デヴィッド・グレーバーの新刊書が話題になっている。 その本が、5月中旬に出版された『Bullshit Jobs: A Theory(クソどうでもいい仕事-その理論)』(邦訳は未刊行)だ。 グレーバーは、2013年に本のもととなる「クソどうでもいい仕事という現象」(1)という題の小論を発表し、インターネット上で大評判になった。 このエッセイは10ヵ国語以上に訳され、掲載したウェブサイトへのアクセスは1日で数百万に達したという。 「Bullshit(ブルシット)」は、英語を話す人々にとっては下品なののしり言葉で、「くっそどうでもいい!」「うそだろ!」とい