嗅覚が退化してしまっている私たち人間は、犬たちの嗅ぎ取っている素晴らしいにおいの世界を感じ取ることができません。それゆえに、彼らにとって大切なにおい嗅ぎを軽視してしまいがちです。ところが、彼らにとってのにおい嗅ぎとは、私たちにとってものを見るのと同じぐらい、自然で必要なこと。そんな、嗅覚をはじめ犬が五感で感じている世界とはどういうものなのか、東京大学の特任助教、荒田明香先生に教えていただきました。1回目の今回は、嗅覚についてご紹介しましょう。 "新しいものはにおいで確認"が犬のやり方 散歩中に犬が一生懸命地面のにおいを嗅いでいるとき、ついついぐいっと引っ張ってやめさせてしまってはいないだろうか。人間にとってにおいとは、「何となく食べ物のにおいがする」というような漠然としたものであるため、犬が何を嗅ぎ取っているのか想像しづらく、つい嗅覚を軽視してしまいがちだ。 ところが、犬にとっての嗅覚は、
人間の1億倍とも言われる、犬の嗅覚。マーキングや、犬同士のあいさつなどによって、犬たちはどんな情報を交換しているのでしょうか。犬の五感の不思議に迫るシリーズ2回目の今回は、1回目に続いて、犬の嗅覚に注目します。今回も東京大学の特任助教、荒田明香先生に教えていただきました。 マーキングは言わば"名刺交換" 嗅覚の鈍感な人間にとって理解しづらい犬の行動の一つが、排尿などによるにおいつけ行動=マーキングだろう。マーキングは、ひと言で言えば犬同士の情報交換。「縄張りの主張」などと言われることもあるが、他の犬を縄張りから追い出したいというほど強い意味はなく、「通りましたよー」とメッセージを残す役割があると考えられている。また、自分のにおいをつけることで安心するという側面も持ち合わせている。そのため、室内でマーキングが見られる場合には、不安などのストレス要因が存在していないか探ってあげる必要があるだろ
2016.11.16 ボディランゲージ読み取り術 Vol.1 犬のボディランゲージ、実は勘違いだらけ!? 荒田明香 東京大学 大学院農学生命科学研究科 ボディランゲージから、本当の犬の気持ちを理解するにはどうしたらいいのでしょう。「嬉しいときはシッポを振る」、「マウンティングは自分の優位を主張している」など、すでに飼い主の間ではよく知られているものもある、犬のボディランゲージ。けれども、そういった思い込みから、逆に愛犬のしぐさを勘違いしてとらえてしまっていることもあります。ボディランゲージが表す犬の気持ちは、そのときの状況やそのコの性格によってもさまざま。本当の犬の気持ちを理解するために大切なことを、東京大学の特任助教、荒田明香先生に聞きました。3回に分けてご紹介します。 写真=大浦真吾 文=山賀沙耶 犬がシッポを振っている=「嬉しい」は勘違い!? 例えば、愛犬の散歩中に他の犬に会って、近
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