林業は、若い世代の従事者が増え、輸出が伸びていて、成長産業になる可能性がある──そう言っても、なかなか信じてもらえないかもしれない。日本の林業は戦後の高度経済成長期から、マスメディアで悪いイメージばかり繰り返し流されてきたからだ。 日本では終戦の1945年まで、戦争が起きるたびに建材、部材、燃料として木材が供出され森林資源が枯渇した。戦後の林業はそこから出発せざるを得ないハンデを負っていた。 当時、ハゲ山に大量に植林されたスギやヒノキの若木がいま「適齢期」を迎え、大量の花粉を放出しては春先、国民を花粉症で苦しめている。 しかも生産コストが高い国産のスギやヒノキはカナダ、アメリカ、インドネシア、マレーシアなど海外産の安い木材におされて需要が縮小し、伐採されないまま山から毎年、花粉をまき散らし続けた。 エネルギー革命で薪や木炭が使われなくなり、マツはマツクイムシで壊滅的な被害を受けた。採算がと