徳島市末広の県営住宅跡地を売却しようとしている県が、跡地に面して四十五年前から建っている民家の玄関先を、五カ月前からくいとロープでふさいでいる。民家は、県営住宅の敷地の一部を玄関への唯一の進入路として使用してきたが、県は二年前に「道路ではない。今後も使うなら土地の購入を」と要求。住人は「県が建築確認しているし、長年、特に指摘もなかったのに・・・」と困り果てている。見かねた町内会は近く、知事に「日常生活権の侵害だ」として改善を求める要望書を出す。 この家に住む六十代の男性によると、建築は一九六四年。県営住宅の敷地に面して玄関がある構造だが、県営住宅の敷地外周部は住民も日常的に通行する土地で、男性も「道路」という認識。しかも、県から建築確認を受けている。 ところが二〇〇七年二月、老朽化した県営住宅が取り壊され、県が跡地売却の準備を始めると状況が一変。同年七月に県住宅課の職員が訪れ、「進