小山実稚恵(ピアニスト)×青柳いづみこ(ピアニスト・文筆家) 2010年10月、ポーランド・ワルシャワで第16回ショパン国際ピアノコンク-ルが開かれた。 ショパン生誕200年という節目のコンクールで優勝したのはロシアのユリアンナ・アヴデーエヴァ。 一方、日本人の出場者は第二次予選で全員が姿を消すという事態となった。これは1975年以来のことである。 1985年の第11回コンクールで第4位に入賞し、今回審査員を務めた小山実稚恵さんと、日本ショパン協会理事を務める青柳いづみこさんが語りあった。 ★長丁場の審査 青柳審査員お疲れさまでした。 小山約三週間の審査は事前に聞いていたスケジュールよりかなり詰まっていて、最初は戸惑いました。例えば第一次予選では、1人3分の演奏で、4人演奏を聴いて30分の休憩、そしてまた四人が演奏後に2時半から昼休み。再び夕方五時からまた8人の演奏、という具合で