熟成肉がブームになっている。関係者が心配しているのは、あらぬ方向へいきかけていることである。「熟成肉」というのは定義がハッキリしていない。そこが盲点でもあるのだが、例えば肉を3日冷蔵庫に放置していても熟成と言ってしまえば熟成なのだ。 「熟成」と「発酵」はよく似た捉え方をされるのだが、「発酵」は外からの微生物の酵素で分解することです。かたや「熟成」は、一定の温度を保つ冷蔵庫で肉を『寝かせる』ことであり、肉が持っている酵素によってたんぱく質が分解され、アミノ酸へと変化する。生物学的でいうところの「自己消化」が熟成なのだ。 いまブームになっている熟成肉は、本来ならドライエージングであるはずなのだが、ここ最近のメディアが発信する情報を見ると、なんでもかんでも熟成肉として捉えられている。一部の方々がニューヨークをはじめとしたドライエージングの先進国から学んだ知識と技術は、まぎれもなくドライエージング
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