節電が叫ばれる今夏。電力に頼る部分が大きいスケートリンクが対応に追われ、強化に励む氷上競技の選手には練習場所の確保など死活問題だ。 フィギュア男子のホープ、羽生結弦が練習拠点とする仙台市のアイスリンク仙台は震災でリンクのある建物が損壊。新井照生支配人は「7月末か8月ごろには再開したいが、建物の工事がどうなるか」。夏場、氷を維持するだけで月約200万円の電気代がかかるという。同支配人は「この夏に莫大な電気を使っていいのか」とためらいもあるが、経営を考えると再開を簡単には先送りできない。 日本スケート連盟は愛知県豊田市にリンクを持つ中京大に、拠点を失ったフィギュア強化選手の受け入れを要請。吉岡伸彦フィギュア強化部長は「節電のため、閉めるリンクが出てくるのでは、という心配はある。連盟として何とか(営業を)お願いしたい」と厳しい夏をにらんだ。