【ニース(フランス)=鈴木智行】フィギュアスケートの世界選手権第5日は三十日、当地で行われ、ペアで高橋成美(20)=木下ク、マービン・トラン(21)=カナダ=組が189・69点で銅メダルを獲得した。ペアの日本代表が五輪を含めてメダルに輝いたのは初めて。 高橋は千葉県出身。カナダ人のトランと二〇〇七年にペアを組んだ。一〇年の世界ジュニア選手権で2位、ジュニアグランプリ(GP)ファイナルで日本勢初優勝に輝くなど頭角を現し、昨年の世界選手権は9位となった。 20歳の高橋と21歳のトラン。経験が重視されるこの競技では若い2人が、最終滑走の重圧に耐えきった。「3位と分かった時、私は世界で一番幸せなんだなと思った」。ガッツポーズをつくった146センチの高橋の体を、175センチのトランが両手で優しく包み込んだ。 今季は早々に大きなミスが出て勢いを失う演技が多かった。その流れをSPで断ち切って迎えたこの日