「3人も出場しているのに、男女そろって優勝できなかったなんて!」 これは、日本チームを心から応援してくれている、海外メディアの友人の言葉。 史上最多、日本から男女シングルで計6選手が進出した今年のグランプリ(GP)ファイナル。しかし男女ともに金メダルを逃すという結果に、がっかりしてしまったファンも少なくないだろう。 だが大会期間中、そこかしこで日本チームの新しい課題が見つかり、さらなる可能性も見いだせる、収穫の多いファイナルではなかったかと思う。 男子シングルは、エース・高橋大輔(関大大学院)がジャンプ不調で4位。ポイントトップでファイナルに進出し、期待された小塚崇彦(トヨタ自動車)が3位。ショートプログラム(SP)1位で通過した織田信成(関西大)は、またもフリーで逆転されて2位。 日本男子初となるGPファイナル制覇の、絶好のチャンスを逃してしまった形となった。 ■練習で高橋と小
12月9日から北京で開催されたグランプリファイナルで、日本のシニアは男子で織田信成が銀、小塚崇彦が銅を獲得した。GPファイナルにおけるメダル複数獲得は記録的なのだが、手放しで喜んでもいられない。顔ぶれを見れば……本来ならば日本が表彰台を独占してもおかしくないほどの選手が揃っていたのだ。 それなのに金メダルが取れなかったのは、一体なぜなのか。 一つには不運もあった。 ともにGP大会2試合とも優勝してファイナルに進出した高橋大輔と小塚崇彦が、試合前日の公式練習で衝突するという事故にみまわれたのだ。 フィギュアスケートの公式練習では、音楽がかかっている選手が優先というルールがある。高橋の音楽が鳴っている最中だったため、自動的に非は小塚にあったことになる。身体的ダメージは、高橋のほうがつらそうだった。それでも青ざめて謝罪する後輩を気遣い、無理に笑顔を作って応じた高橋は、この事故が試合に影響を与えた
<フィギュアスケート:GPファイナル>◇初日◇10日◇中国・北京 男子ショートプログラム最終滑走の小塚崇彦(21)が4位と出遅れた。首位通過したGPシリーズの2大会と比べ、やや精彩を欠いた演技内容に思わず頭をかいた。前日の公式練習で、自身の不注意で高橋と激しく激突、顔面蒼白(そうはく)となった。その精神的な影響が出たのか、終盤の見せ場であるストレートステップでバランスを崩すミスが出てしまった。今秋からは浅田真央(中京大)が同門に入り、年下の努力家に触発を受けた。日本を出発するときに「頑張ってね」と激励を受けた21歳はGP2連勝が勢いだけでないことを証明できるか。4回転を跳ぶフリーでその実力が試される。
10年バンクーバー五輪銀メダル、世界選手権金メダルの浅田真央(20=中京大)が、小塚崇彦の父で68年グルノーブル五輪代表の嗣彦氏(54)と臨時師弟コンビを結成したことが11日、分かった。現在、メーンコーチの佐藤信夫氏が小塚のGPファイナル遠征に帯同中で、ジャンプ不調による大スランプの浅田は国内に残留。佐藤コーチの指導を仰げない間、小塚父に復調への練習をチェックしてもらっている。 嗣彦氏は小塚にスケートの基礎をたたき込むなど、トップ選手への下地を築いた実績がある。小塚も「今でも気付いたことは言ってもらったり、僕からアドバイスを聞くこともある」と信頼している。浅田にとって世界選手権出場をかけた全日本選手権(24日開幕、長野)まで残り時間は少ない。佐藤コーチも今日12日のエキシビションを見ずに帰国し、指導を開始する意向。浅田が全面サポートを受けて、復活を期す。
◆安藤美姫「(痛めていた)腰は良くなって、きちんと背中に力が入る。SPは曲を変えて前よりも滑りやすくなった。一つでも成長したと言われるように滑りたい」 ◆高橋大輔「(小塚との衝突で)お尻を打った。問題はない。今季の中でもベストの状態。ファイナルのタイトルは取っていないので、取りたい」 ◆村上佳菜子「(会場の雰囲気が)シニアという感じがする。練習ですごく良かったから、自信を持ってできると思う。一番いい演技をしたい」 ◆鈴木明子「中国杯とロシア杯でミスが出たフリーの後半を重点的に滑ってきた。表彰台に上がるための練習をしてきた。いい演技をする準備は整っている」 ◆小塚崇彦「高橋選手には本当に悪いことをした。大丈夫と言われてよかった。(2位だった)2年前は勢いだけだった。今季は自分をコントロールして演技ができている」 ◆織田信成「調子は上がっている。この勢いでSP、フリーと臨めればいい。レベルが高
【北京(中国)9日=広重竜太郎】今日10日開幕するフィギュアスケートのGPファイナルの公式練習で、日本男子初の優勝を目指す高橋大輔(24=関大大学院)と小塚崇彦(21=トヨタ自動車)が激突するアクシデントが起きた。曲に乗って後方へステップしていた高橋に、ジャンプを跳んだ小塚が激しくぶつかり、2人ともリンクに倒れ込んだ。幸い大事には至らなかったが、今季GPシリーズ2勝を挙げている優勝候補同士の、“あわや大けが”の事態に、会場の空気が凍りついた。 氷上の最終調整で、場内がまさに凍り付いた。フリー曲に乗って後ろに滑りながらステップを踏んでいた高橋と、後ろ向きでジャンプ体勢に入った小塚の滑走軌道が重なった。ぶつかってしまう-。「キャー!」。リンクサイドの女性関係者が悲鳴を上げたが間に合わない。高橋の背中に、ジャンプして回転した小塚が腰部分から激しく衝突した。 「大丈夫ですか?」。すぐに立ち上がった
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く