鎌倉市の北鎌倉地区で、JR横須賀線を地下化する「構想」があるのをご存じだろうか。1998年に策定した都市マスタープランで、市は「検討課題」として方針を明記。以来、具体的な進展のない“塩漬け”の構想が最近、再び脚光を浴びるようになった。市議会でも論戦になり、「大きな夢」と語った松尾崇市長。だが、JR側にとっては“寝耳に水”の話のようで…。 マスタープランに記載された地下化の対象は、小袋谷踏切から明月院踏切までの約1・3キロ。「検討課題」とは、「将来の可能性も含めて長期的な検討が必要と思われる」項目で、年次目標は定めていない。 背景にあるのは、景観問題と交通問題だ。北鎌倉地区は、横須賀線沿線の大部分が景観地区、風致地区、古都保存法上の歴史的風土保存区域などに指定。さらに、両踏切が引き起こす鎌倉街道の交通渋滞が長年の課題となっていた。 □ □ 埋もれていた地下化構想が再浮上した契機が、市