フランス版ジェームズ・ボンドとしてマニアックなスパイ小説・映画ファンに有名な『OSS117』シリーズは1960年代に8本ほど映画が作られました。最近では『アーティスト(2011)』のアカデミー賞で一躍世界的に有名になったジャン・デュジャルダン主演でリブート作品が2本(『私を愛したカフェオーレ(2006)』、『リオで行方不明(2009)』)製作されるなど、相変わらず本国フランスでは人気のキャラクターであることが分かります。洋泉社の『危機一発スパイ映画読本』によれば主人公の名前はユベール・ボニスール・ド・ラ・バスという長ったらしいもので、実はフランス人ではなく、ルイジアナ州出身のフランス系アメリカ人とのこと。しかもOSSとはCIAの前身であり、ユベールもアメリカのスパイなのです。 そして第一作『OSSと呼ばれる男(1957)』から始まり、第四作『リオの嵐(1965)』にチェコスロバキア出身のフ