2010年7月までの約9年間に、静岡県三島市などの路上で女性9人に乱暴し、全員にけがをさせたなどとして、強姦致傷罪などに問われた同県長泉町下長窪、無職小沢貴司被告(35)の裁判員裁判の公判が30日、静岡地裁沼津支部(片山隆夫裁判長)であった。 検察側は01~08年に起きた5件の強姦致傷や強盗、窃盗罪と、09~10年に起きた4件の強姦致傷、強盗罪について、いずれも懲役30年とし、併せて60年を求刑した。求刑が60年に及ぶのは極めて異例。判決は12月5日。 小沢被告は09年3月、窃盗事件で懲役1年執行猶予4年の有罪判決を受け、確定している。刑法の規定では、確定判決を受けている被告が、判決の前と後の事件について罪に問われている場合、量刑を分ける必要がある。1回の量刑では懲役30年が有期刑の最高刑。 検察側は論告で「被告にはゆがんだ性癖や人格があり、相当長期間の矯正教育が必要」などと主張。弁護側は