世界的な株安と円高に見舞われた9日も、菅政権の動きは鈍かった。退陣表明した菅首相が追加経済対策などを指示すれば、新たな「延命策」と受け取られかねず、首相が身動きを取れない政治情勢が日本経済にも影を落としている。 枝野官房長官は9日の記者会見で、株価下落について「市場動向を引き続き十分注視していきたい」と述べた。ただ、追加経済対策については「実体経済のしっかりとした下支えは、さらに検討を進めなければならない」と述べるにとどめ、具体的言及を避けた。 首相周辺では「行き過ぎた円高を食い止めるのが最優先だ。追加対策には、株安が一時的かどうかなどを見極める必要がある」などとして、当面、市場介入の効果などを見極めるべきだとの意見が強い。