当代屈指の SF 作家、グレッグ・イーガンをご存知でしょうか。 数学のバックグラウンドを持つイーガンは、宇宙論からナノテクノロジー、量子論や認知科学にいたるまで、最先端科学の知見を入念に作品に取り入れる「ハード SF 作家」としての異彩を放ちながら、現代のわたしたちの社会通念や生命倫理、そして知覚に深い問いを投げかけています。 そして、今年日本でも翻訳版が刊行された最新作『ゼンデギ』では、VR(仮想現実)システムや人工知能を題材に、「コンピュータ上に人間のコピーをつくる」ことがテーマとなっています。 息子のために、自分自身をコンピュータ上に遺そうと考える主人公が取った行動から、わたしたちは何を読み解くことができるでしょうか? 今回は、邦訳版のカバーイラストを担当したデザイナーの小阪淳さんと、イーガン作品を愛する神経科学の研究者、田尾賢太郎さんとともに�、たくさんの問いに満ちた『ゼンデギ』を