【テヘラン=吉武祐】中国・新疆(しんきょう)ウイグル自治区の騒乱をめぐり、トルコの中国批判が突出している。エルドアン首相は大量の犠牲者が出た状況を、ウイグル族への「ジェノサイド(集団殺害)」だと批判。民衆にも反中感情が高まっている。民族・言語がトルコ系でイスラム教徒であるウイグル族への同情と、宗教・民族のつながりを重視する外交姿勢が背景にある。 エルドアン首相は11日、「同化政策をやめるよう中国政府に求める」と述べた。騒乱発生以来、非常任理事国として国連安全保障理事会で取り上げる意向を示すなど、中国側の反発を招いている。 特に「ジェノサイド」は、トルコがオスマン帝国末期の「アルメニア人虐殺事件」をめぐって否定し続けてきた言葉。首相の発言は、重みをわかったうえでの確信犯だ。ギュル大統領が6月末にウルムチを訪問、「ウイグル族はトルコ・中国友好の懸け橋」と強調した矢先だったため、失望感もある