■職業寿命の60年化で戦略と計画が必要に 「自分のキャリアについて考えなさい」といわれたら、たぶん50代の人は「それは会社の人事部の役目じゃないか」と反発するだろう。40代にもそういう人が多いはずだ。 しかし、20代や30代は違う。命じられなくても、自分のキャリアについて考えている人が大半を占める。なぜ若い世代ほどキャリア志向が身についているのか。その理由として次の4つの点を指摘できる。 まず、転職が当たり前になったことである。会社を変わるという行為が、自分なりのキャリアをつくる手段として社会的に認められるようになったのだ。 次に働き方の多様化。高度成長期は1度会社に入ると、何歳で課長、何歳で部長、最後は定年退職という具合に、確固たるレールが敷かれていた。ところが、現在ではポスト不足で誰もが管理職になれるわけではない。正社員、非正社員の区別だけでなく、正社員のなかにも、地域固定、短時間勤