睡眠中は動物の生存にとって最も危険な時間なのに、ほとんどの動物が必ず睡眠を必要とする。このことは、睡眠には一定の危険を受け入れても必要な理由があることを示しており、この必要性を理解しようと研究が続けられている。 2013年には睡眠により脳脊髄液の循環経路が拡大し、老廃物の除去が促進されるという「驚くほど単純な」アイデアが示されたが(私のブログ参照)、このような考えは例外で、一般的には「睡眠には覚醒時の記憶を固定する」機能があるから必要だと考えられている。 この考えを説明するためにうってつけの論文が、カリフォルニア大学バークレー校から発表されたので、この論文を紹介することで睡眠と記憶がどのように結び付けられているのか理解してもらおうと取り上げた(Helfrich et al, Old brains come uncoupled in sleep: slow wave-spindle sync