気になる記事をスクラップできます。保存した記事は、マイページでスマホ、タブレットからでもご確認頂けます。※会員限定 無料会員登録 詳細 | ログイン (前回から読む) ラブレーの笑い 「一六世紀は笑いの歴史の頂上であり、その頂上のピークがラブレーの小説である」[1]。ラブレーは中世的なカーニバルの笑いをその極限にまで高めて表現した。バフチンはその特徴を、第一に民衆の祝祭の表現、第二に祝祭のうちでも人々が集まって食事をする饗宴の表現、第三に饗宴のうちでも、食べる営みをする肉体の特異な表現、第四に肉体のうちでも腹部とその下の下半身の部分の強調のうちにみいだしている。その主なものを順に調べてみよう。 王の奪冠 第一のカーニバル的な要素が顕著なのは、『第四書』でパンタグリュエルの一行の代理委任島での祝祭的な殴打である。ここには法院族という一族がいる。この国の修道士や司祭などがある貴族を痛めつけよう