「女子大生ホイホイとしてのプレリュード」「アイドルはみんな聖子ちゃんカット」。80年代に青春を送っていた人には懐かしいワードだが、かつて消費社会が隆盛を極めていた時代はこのように「ああ、それ知ってる!」とみんなでわかり合える共通認識のもとに流行するものがあった。 しかし消費社会が終わりを告げ、みんなでわかり合える“何か”を失ったいま、私たちは社会というものをどこか遠い存在として感じている。この孤独感を埋められる手立てがあるとすれば、それはどのようなものだろうか? 前々回、前回から続く話題の対談、いよいよ完結。 社会がコモディティ化し、モノが輝かなくなった 武田:先日、宮台さんがされていた「クルマが輝かなくなった」というお話が非常に示唆的でした。「むかしクルマは輝いていた。いまはかつての輝きはない」とおっしゃっていました。品質の面でいえば向上していると思われるのに、なぜなのでしょうか? 宮台