1953年東京都生まれ。76年東京大学文学部社会学科卒業。同年朝日新聞社入社。シンガポール特派員、学芸部次長、編集委員兼論説委員などを経て2011年退社。同年より現職。著書に『ルポ 雇用劣化不況』、『正社員消滅』 など。 著書 「働き方改革」がどこかおかしい。 「長時間労働の是正」や「非正規という言葉をこの国から一掃する」などと公言する安倍首相の下、新たに設置された働き方改革実現会議で、働き方改革のあり方が議論されてきた。その後、電通の新入社員の過労自殺などもあり、改革に拍車がかかったかに見える。 確かに、日本の長時間労働は改革が必要だ。日本人の働き方が、なかなか昭和の高度経済成長モデルから抜け出せない中、今や「カロウシ」という言葉は英語でそのまま使われるまでになっている。そうこうしている間に、非正規労働者の比率は4割近くまで増え、正規労働者との賃金格差は拡がる一方だ。労働市場の格差が社会