金融政策 私の視点 日本銀行は28、29日に金融政策決定会合を開く。年明けからの金融市場の混乱を受け、市場関係者の間では追加緩和への期待が高まっている。会合を前に、岩田一政・元日銀副総裁に展望をきいた。 ――年明けから円高と株安が進みました。昨今の金融市場の状況をどう見ていますか。 「昨年8月の市場の混乱から、『ギリシャ悲劇』の第3幕が始まったと思っている。年明けからそれが深くなった。『悲劇』の1幕目は2008年のリーマン・ショック、2幕目は10年のユーロ危機、3幕目は現在進行形の新興国の減速と債務問題、資源価格暴落の組み合わせだ」 ――現在の状況は、リーマン・ショックやギリシャを発端とするユーロ危機と同じくらい重大な事態なのでしょうか。 「1、2幕目に続く大きなショックだ。ある人の計算によると、今年に入って世界の株式時価総額は8兆ドルくらい減った。リーマン・ショックが起こった08年9月で