私がSonyに入社したのは1987年。 当時の大崎工場体育館での入社式。 祝辞は創業者である井深大名誉会長、盛田昭夫会長、大賀典雄社長という豪華な顔ぶれ。 当時の私は大して世間も知らない22歳。 きっと浮かれていたんだと思います。 そんな時に聞いた盛田会長の言葉はあまりに衝撃的で、胸に深く突き刺さったままです。 『一度しかない人生、自分の幸せをソニーの中で見つけられないと思ったら早く辞めなさい。 人生で一番大事なのは自分と自分の家族なのだから。 会社に忠誠を尽すよりも自分に忠誠を尽しなさい。 そして、本当にソニーで働くと決めた以上は、お互いに責任がある。 あなた方も、いつか人生が終わるそのときに、ソニーで過ごして悔いはなかったとしてほしい』 仕事=苦痛ではなく、自分の人生を謳歌することはソニーで責任を持って働くことと等価である。 こう言い放った盛田会長。 ますますこの会社が好きになってしま