ロンドン・シティーのチープサイド通りに設置されたごみ箱。こうしたごみ箱がスマートフォンの情報を収集していた=小倉孝保撮影 歩く先々で、その人行きつけの飲み屋の広告を表示するごみ箱。得意客の滞在時間を自動的に識別するコーヒーチェーン店。スマートフォン(スマホ)が出す電波を利用し、持ち主を追跡するSF映画のような仕組みが世界各地で広まっている。【林田七恵】 ロンドンの金融街シティーの路上に高さ1メートル超の液晶画面付きの変わったごみ箱が並んでいる。これに昨夏、批判が殺到した。 ごみ箱は、屋外広告を請け負う英国のベンチャー企業「リニュー・ロンドン」が2012年、約1.6キロ四方のシティー内100カ所に設置した。ロンドンでは爆弾テロがあった05年以降、路上のごみ箱は撤去されていたが、12年のロンドン五輪を前にシティーの行政当局がリ社と契約した。爆弾にも耐える構造で、2枚の32インチ画面に緊急時の避