ハッブル宇宙望遠鏡を使い、銀河団の重力を拡大鏡として利用することで、観測史上最も遠く、最も古い恒星を発見することができた。(PHOTOGRAPH BY NASA) ハッブル宇宙望遠鏡を使った観測から、はるか彼方の銀河の中に、これまでに観測された恒星の中で最も遠く、最も原始的であると思われる恒星が見つかった。 3月30日付けの学術誌「ネイチャー」にこの発見についての論文を発表したNASAのジェイン・リグビー氏は、「単独の恒星としては、過去の記録を大幅に塗り替える遠さです」と言う。「初期の宇宙に存在していた大質量星がどのようなものであったのかを研究する絶好の機会となるでしょう」 この恒星は、トールキンの作品の登場人物にもあしらわれた、「明けの明星」または「昇りくる光」を意味する古英語にちなんで「エアレンデル(Earendel)」と呼ばれている。エアレンデルは地球の129億光年先にあり、ビッグバ