企業がスムーズに脆弱(ぜいじゃく)性管理に取り組めることを目指して、脆弱性スキャナーの種類や脆弱性管理のステップについて解説する本連載「脆弱性管理の実践ポイント」。 本連載の第1回では脆弱性スキャナーの種類と役割について、第2回では脆弱性管理の成熟度を向上させるための考え方について解説した。最終回となる今回は、脆弱性管理を導入する際に検討すべきステップについて説明する。連載の初めにも述べたが、いざ「脆弱性管理を実施しよう」とすると、意外と簡単にはいかない。そこで、脆弱性管理の導入という最初の1歩を踏み出すときに必要となる検討事項を下図にまとめた。 ここからは各ステップについて、詳細に解説する。 設計 脆弱性管理を導入する際の最初のステップは、管理対象を特定することになる。連載の第2回で述べたように、初めから全ての資産を対象にすることはハードルが高い。管理対象とする資産の選定に当たっては、サ