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ブックマーク / blog.a-utada.com (9)

  • 明かされ始めたグーグルの秘密研究: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    グーグルがメガネ型ウェアラブル・コンピューターの 研究をしているというのは、驚きの発表だった。 宇宙エレベーターなども研究しているというが‥‥ ●これひとつあればケータイもコンピューターもいらない? 前回はグーグルが始めたクルマの自動走行プロジェクトをとりあげたが、「プロジェクト・グラス」もグーグルらしくておもしろい。メガネにコンピュータを仕込んだウェアラブル・コンピューターの研究をしている。 グーグルのSNS「グーグル・プラス」にもページができていて、こう紹介されている。 「われわれは、テクノロジーはあなたのためのものであるべきだと思う。あなたが必要とするときにはそこにあり、必要でないときにはあなたの邪魔をしない。われわれはこうしたテクノロジーを打ち立てるためにプロジェクト・グラスをスタートした。しかるべき瞬間にあなたを立ち戻らせ、あなたの世界を探索し共有するのを助ける技術だ」。 サイト

  • 民主主義を救うのは抽選によって選ばれた「ふつうの人びと」: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    「熟議の民主主義」と呼ばれる政治手法が模索されている。 行き詰まった政治の現状を打破するのは クジによって選ばれた「ふつうの人びと」かもしれない。 ●選挙で選ばれた政治家の主張はすべて正しいのか 大阪府知事から転身して大阪市長になった橋下徹氏は、高い人気を背景に国政レベルでも「台風の目」になりつつある。橋下氏の主張には賛成できるところもあるし、逆にどうなのかと思うところもあるが、橋下氏の発言でもっとも困惑するのは、「自分は選挙で選ばれたのだから、自分の言うことが民意だ」と、ことあるごとに繰り返している点だ。 橋下氏に投票した人も、その主張すべてに賛成したわけではないだろう。橋下氏ならば行き詰まっている現状を変えてくれるのではないかと、個々の政策の賛成・反対を超えて投票した人も多いはずだ。しかし、「自分の言うことが民意だ」という橋下氏はそうは解釈していない。政策すべて支持されたと思っている(

  • 客観的予想にもとづく新しい政治の仕組み: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    これまでの政治は、政治家や有権者の欲望によって歪められてきた。 そうでない仕組みはできないか。 いまの時代にふさわしい仕組みがあるのでは? ●選挙に代わるもの 選挙で選ばれた政治家が政治的決定をする間接民主主義への不信感が高まっている。首相を直接選挙で選ぶ公選制を求める声も強くなっている。 前回、ネットを使って民意をリアルタイムで把握し、統治に反映させることを提案した東浩紀氏の著作『一般意志2・0』をとりあげた。 フェイスブックのような実名SNSまで登場し、デジタル世界が現実世界を呑みこまんばかりになっている現在、社会の仕組みもデジタル環境に対応したものにする必要がある。そういう意味でも『一般意志2・0』は興味深いが、後半で 具体的な仕組みの例として提案されているのはニコニコ動画だ。飛び交うコメントを政治的決定に反映させるというが、意見の代表性が疑わしい。東氏も、全面的に反映させろなどとは

  • コミュニケーション不要のデータベース政治の可能性: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    選挙によらずして「民意」を汲みとる、 かつてルソーが夢見た政治の可能性が このネットの時代になってほのかに見えてきた。 ●予測市場が切り開く政治 民主主義には議論が必要だ。議論もせずに決めるのは独裁的だと思われている。 しかし、いまの日政治は、議論ばかりでなかなか決まらない。たとえ決まったとしても、妥協に妥協を重ね、成果があがらない。あげく「いまの政治に必要なのは独裁だ」などと過激なことを言い出す人まで現れる。極論ではあるが、政治の現状を見ると共感する人もいるだろう。 東浩紀氏の『一般意志2・0』は、議論を経ない統治の可能性を検討している。 フランスの思想家ルソーは、著書『社会契約論』で、「一般意志」によって社会が統治されるべきことを説いた。 この「一般意志」というのはきわめてわかりにくい概念で、個人の意志の総和つまり世論ではない。複数の個人の意志から「相殺しあうプラスとマイナスを取り

  • グーグルの次の手は無料のネット接続?: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    先ごろグーグルが発表した無償のOSはネットが前提で、 コンピューターはからっぽのほうがいいという発想だが、 次にグーグルがやるのはネット接続を安くすることだろう。 ●コンピューターは「ただの箱」のほうがいい 「コンピューター、ソフトがなければただの箱」という有名な言葉がある。誰が言ったのか知らないが、コンピューターはソフトがなければ役に立たない。また、とてつもないスピードで情報を処理する一方で、うまく動かなくなって難儀も振りまく。このフレーズは、コンピューターを小馬鹿にしているようでもあって、一回聴いただけで記憶に残った。 コンピューターはこのようにソフトを入れておく必要があると思われてきたわけだが、7月7日に発表されたグーグルのOSは、コンピューターはいまよりもっと「ただの箱」にしたほうがいいという考えにもとづいている。グーグルは、公式ブログでこう言っている。 「多くの方がコンピューター

  • まぼろしの有料配信: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    歌田明弘の『地球村の事件簿』 週刊アスキー連載「仮想報道」などの原稿のアーカイヴやリンクが中心です(詳しくは「プロフィール」参照)。編集部との話し合いで、週刊アスキーの原稿は発売後、次の金曜日以降に公開することになっています。つまり、実際に書いたのは公開日の2週間ほど前です。 「国会図書館による有料配信決定の記事は誤報のよう」と書きましたが、国会図書館に続いて、日書籍出版協会(書協)(リンク先PDF)も否定しました。 なぜこういう記事が出たのか不思議ですね。 この「誤報」によって、はたして、有料配信が前進するのか、それともまったく逆に後退するのか、どちらでしょうね。 足を引っ張るつもりでこうした情報を流した人がいるのだとしたら、許し難いですが。 とはいえ、ふたつの組織が否定してもそれを知る人は限られているでしょうから、もはや世間的には、2011年春に有料配信開始ということになってしまいま

  • 近未来の情報世界を垣間見せたイラン騒乱: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    イランの騒乱によって、ネットの新たなページが開かれた。 一回に140文字までしか書けないミニブログに大きな可能性があることが示された。 ●アメリカ政府も頼ったツイッター情報 アメリカのニュース・サイトは、イラン騒乱を大きくあつかっていた。日では総選挙が近いと国内政治のニュースばかりで、イランは、騒ぎが大きくなったときにだけ取りあげられるぐらいのものだったから、違いは顕著だった。アメリカでもふつう一般の人びとは国外のニュースにそれほど関心を持たない。しかし、今回は様相が異なっていた。騒乱のなまなましい写真や動画が次々と流れ、それが人の目を惹きつけた。 急成長したニュース・サイトのハフィントン・ポストなどは、トップページのいちばん上にイラン騒乱の写真を連日大きく載せていた。 イラン当局は、外国メディアの活動を抑えにかかっており、写真や動画の大半は、ジャーナリストによって撮られたものではない。

  • そうしてすべてはデータベースの項目(データ)になった: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    検索エンジンは、われわれが作成したコンテンツに 誘導してくれる装置だと思ってきたが、 実態はむしろ逆で、われわれは検索エンジンのために働いているのではないか。 ●われわれが作成しているのは検索データ? この欄の原稿を書くために、何日もかかって情報を集めてみたけれどおもしろい話が見あたらない、ということがかつてはときどきあった。最近は、 ネットの情報も充実してきてそんなことはなくなり、むしろ書くことがいっぱいあって困ることも出てきた。それは喜ぶべきことなのだが、別のことで、「あれ あれ」と思い始めた。 大なり小なり苦労して書いた原稿をネットで公開すると、雑誌に掲載されていたときとは違った読まれ方をされる。雑誌では誌 面に定着されて、どういう枠組みで書かれているのかがページをめくる過程でわかり、そういうことを踏まえて読まれるわけだけど、ネットでの読まれ方はさま ざまだ。定期的にアクセスして読ん

  • 「ネット失望の時代」がやってきた: 歌田明弘の『地球村の事件簿』

    「ウェブは進化し、社会の発展をうながす」というのは誤りか? 時代の歯車がまたひとつ回った、ということなのか、 楽天的なウェブ観が消えようとしている。 ●ウェブは貧乏人とヒマ人の集まり? ネットの潮流が変わってきた。 90年代のネットは、ひと言で言えば「解放区」だった。会社などでは上司がネットのことをよくわからず、若い社員が好き勝手にやれる解放区だった。 ネット・ベンチャーの隆盛もこうした流れの延長にあった。ネット・ベンチャーたちは、長髪や金髪で背広やネクタイもつけず、どこでも遠慮会釈なく入っていった。これからの時代はこういったものだと自信満々で、パソコンを駆使してプレゼンし、頭の固い人々を煙に巻き、「時代に遅れてはならない」という「大人たち」の不安感を逆手にとってビジネスを拡大していった。 こうした流れの象徴がライブドアだった。 世の中は「失われた時代」が続き景気は悪かったが、硬直した世の

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